以前の記事で、ThinkPad S30でUSBメモリー起動を報告していましたが、今回「RMPrep」で作成したUSBメモリーが無事に起動し、起動USBメモリー+USBメモリー+内蔵HDDが認識し、USBメモリー+内蔵HDDは編集もできました。ので作成手順を記録しておきます。
なお、近頃のUSBメモリーブートが出来るパソコンであれば、同様な手段でUSBメモリーを選ばずブートできると思います。
動作状況がこちらです。
機種
- ThinkPad S30
USBブートが出来るメモリーが大変限定される機種です。
今時こんな古いものを使用している人は少ないでしょうが、私にとって当時から大変気に入っている思い入れの深い機種です。
現在、稼動品2台、パーツ取り用1台を所有
- Kingmax USB2.0 FlashDisk 16GB
手持ちのUSBメモリーの中で、「USB-HDD」として認識する唯一の物です。
ここで掲載しているようにBIOSの起動時、Boot画面で [Hard Drive]欄にUSBメモリーが表示されていれば今回の手順で起動OKかも・・・
*BIOSの起動画面では、どんなUSBメモリーでも認識します。
あくまでもセットアップのBoot画面で認識されていなければなりません
s30で起動できるUSBメモリーの代表格GREEN HOUSEの「PicoDrive+」とそれと同等品と思われるA-DATA PD8シリーズ(1GB,8GBで確認)は、そもそもs30が認識する規格(USB-FD)が違いますので今回の方法では起動出来ません。
- - USBメモリー
基本的にどんなものでもOK、今回はpqiの32GBで検証
上記の起動USBメモリー(Kingmax)だけで立ち上げても途中でstopします。
ThinkPad s30は2つのUSBソケットがありますが、2つのメモリーをどちらに挿してもOKです。
*s30以外のパソコンで立ち上げる場合は、BIOSのBoot画面で起動優先順位を起動USBメモリーにしておきます。
- RMPrep
非常に強力なUSBブートメモリー作成ソフトです。
詳細については、下記サイトを参照に・・・
「RMPrep」本家
愚者「RMPrep」紹介記事
- FreeDOS
Finnixのサイトの「Balder10」を使用します。
日本語キーボード、DOS/V対応まで行います。
- - USB ASPIマスストレージドライバー
このサイトの「DOSドライバ&ツール リンク集」で紹介されているように各種存在しますし、同じメーカーの物でもバージョンによって認識したりしなかったりします。パソコンにより試行錯誤が必要なようです。
今回、ThinkPad s30 で試したところ、唯一「NOVAC ASPIマスストレージドライバー」の組合せだけがUSBを認識稼動しました。
大まかな手順としては下記のような手順となります。
A.FreeDOS Balderの展開
B.Balderへの各種ドライバー、ツール組み込み
C.「RMPrep」のインストール・起動・USBメモリーの挿入
D.「RMPrep」のパラメーター設定・書込み
E.実機(S30)での検証
A.FreeDOS Balderの展開
- ここから balder10.img を落としてきます 。
- - WinImageやVirtualFloppyDriveにてフロッピーイメージ「balder10.img」を適当なディレクトリー「D:\balder」に展開します。
ソフトの使用方法については各自でどうぞ・・・
- - ディレクトリー配下に4つのサブホルダーを作成
<fdos> <d-nova> <jp> <kl> <tools>
- - balder内のファイルのうち、「kernel.sys」、「command.com」を残し他のファイルは全て<fdos>ディレクトリーに移動
- NOVAC ASPI マスストレージドライバーをダウンロードし、<d-nova>ディレクトリーに解凍します。
-
- DOSツールについては各自必要なものを用意しましょう。
ちなみに私の場合、ファイラー(K-Launcher)やNorton Ghost 2003、HDDツール、各種パスワードツール等を用意しました。
<kl> <tools>
-
- DOS/V化したりFEPをインストールする場合も、ここで特定のディレクトリーに用意しておきます。
<jp>
FreeDOS/Vのサイトから1.44M2HD版をダウンロードし、フロッピーイメージファイル内の<dos>ディレクトリーから下記ファイルを<jp>ディレクトリー内にコピーします。
fontnx.exe、vesapat.exe、dispvb.exe、fntファイル3つ、fontn.ini、ches.exe
-
- 「fdconfig.sys」の作成
<balder>ホルダーにエディターで作成
!switches=/f /n
!MENUCOLOR=7,0
MENUDEFAULT=0,30
MENU
MENU Machine : ThinkPad s30
MENU USB Memory Desk : Kingmax 16GB
MENU OS : FreeDOS Balder 1.0
MENU App : NTFS, Password Tools, HDD Tools, Backup Tools
MENU
MENU 0 - USB, Start computer with Novac USB1 support.
MENU 1 - DOS/V, Start computer with DOS/V JP support.
MENU 2 - USBJP, Start computer with Novac USB1 DOS/V JP support.
MENU 3 - NON, Start computer without Driver.
MENU
MENU
!buffers=20
!files=20
!device=\fdos\himem.exe
!dos=high,umb
12?devicehigh=\jp\fontnx.exe
12?devicehigh=\jp\vesapat.exe /JP
12?devicehigh=\jp\dispvb.exe /hs
0123?shell=\command.com /E=256 /P
02?device=\d-nova\usbaspi.sys
02?device=\d-nova\di1000dd.sys
!lastdrive=z - 「autoexec.bat」の作成
<balder>ホルダーにエディターで作成
@ECHO OFF
起動USBメモリー(Kingmax16GB)は、「USB-HDD」Cドライブとして認識されますので、パスの設定もこれに合わせています。
SET TEMP=C:\
SET TMP=C:\
SET PATH=C:\;C:\FDOS;C:\KL;C:\TOOLS
SET PROMPT=$P$G
IF exist \fdos\keyb.exe \fdos\keyb JP
IF exist \fdos\ctmouse.exe \fdos\ctmouse
:end
- - ディレクトリーの構成
D:\balder
kernel.sys
command.com
fdconfig.sys
autoexec.bat
<fdos>
himem.exe
<d-nova>
keyb.exe
keyboard.sys
fdisk.exe
format.exe
他
usbaspi.sys
<jp>
di1000dd.sys
ramfd.sys
fontnx.exe
<kl>
vesapat.exe
dispvb.exe
fontn.ini
04gzn16x.fnt
guri19x.fnt
ches.exe
他
適宜
<tools>
適宜必要なものを
- ここを参照にインストールし起動します。
- 「Kingmax USB2.0 FlashDisk 16GB」をパソコンに挿入します。
- Partition Size
「MAX」 - Volume Label
「S30 USB」 - Bootloder Option
「FREEDOS bootable[KERNEL.SYS]」 - Filesystem and Overrides
「FAT32」 「Boot as HDD」
「Use 64hd/32sec if possible」 - Copy OS Files
チェック 「D:\balder」 - Prepare Drive
書き込み開始
今回、作成した起動USBメモリーは、起動は出来ますが書き込みが出来ません。したがってもう一つのUSBソケットにメモリー(
すると、冒頭で書いたように、USBメモリーと内臓HDDは読み書きが出来るようになります。
*H23/6/4追記 一部ASPIドライバーの読み込み時にストップするUSBメモリーがありました。
- 起動USBメモリー --> Cドライブ 読み取りOK 書き込みNG
- USBメモリー --> Dドライブ 読み書きOK
- 内蔵HDD --> Eドライブ 読み書きOK
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