2011年5月28日土曜日

「RMPrep」でThinkPad S30 USBメモリー(USB-HDD)ブート成功

以前の記事で、ThinkPad S30でUSBメモリー起動を報告していましたが、今回「RMPrep」で作成したUSBメモリーが無事に起動し、起動USBメモリー+USBメモリー+内蔵HDDが認識し、USBメモリー+内蔵HDDは編集もできました。ので作成手順を記録しておきます。

なお、近頃のUSBメモリーブートが出来るパソコンであれば、同様な手段でUSBメモリーを選ばずブートできると思います。

動作状況がこちらです。


機種
  • ThinkPad S30
    USBブートが出来るメモリーが大変限定される機種です。
    今時こんな古いものを使用している人は少ないでしょうが、私にとって当時から大変気に入っている思い入れの深い機種です。
    現在、稼動品2台、パーツ取り用1台を所有
USBメモリー 2個
  • Kingmax USB2.0 FlashDisk 16GB
    手持ちのUSBメモリーの中で、「USB-HDD」として認識する唯一の物です。
    ここで掲載しているようにBIOSの起動時、Boot画面で [Hard Drive]欄にUSBメモリーが表示されていれば今回の手順で起動OKかも・・・

    *BIOSの起動画面では、どんなUSBメモリーでも認識します。
    あくまでもセットアップのBoot画面で認識されていなければなりません

    s30で起動できるUSBメモリーの代表格GREEN HOUSEの「PicoDrive+」とそれと同等品と思われるA-DATA PD8シリーズ(1GB,8GBで確認)は、そもそもs30が認識する規格(USB-FD)が違いますので今回の方法では起動出来ません。
    -
  • USBメモリー
    基本的にどんなものでもOK、今回はpqiの32GBで検証
    上記の起動USBメモリー(Kingmax)だけで立ち上げても途中でstopします。

    ThinkPad s30は2つのUSBソケットがありますが、2つのメモリーをどちらに挿してもOKです。

    *s30以外のパソコンで立ち上げる場合は、BIOSのBoot画面で起動優先順位を起動USBメモリーにしておきます。
ブート作成ソフト
ブートオペレーションソフト+USB ASPIマスストレージドライバー
  • FreeDOS
    Finnixのサイトの「Balder10」を使用します。
    日本語キーボード、DOS/V対応まで行います。
    -
  • USB ASPIマスストレージドライバー
    このサイト
    の「DOSドライバ&ツール リンク集」で紹介されているように各種存在しますし、同じメーカーの物でもバージョンによって認識したりしなかったりします。パソコンにより試行錯誤が必要なようです。

    今回、ThinkPad s30 で試したところ、唯一「NOVAC ASPIマスストレージドライバー」の組合せだけがUSBを認識稼動しました。

大まかな手順としては下記のような手順となります。

A.FreeDOS Balderの展開
B.Balderへの各種ドライバー、ツール組み込み
C.「RMPrep」のインストール・起動・USBメモリーの挿入
D.「RMPrep」のパラメーター設定・書込み
E.実機(S30)での検証

    A.FreeDOS Balderの展開
    1. ここから balder10.img を落としてきます 。
      -
    2. WinImageVirtualFloppyDriveにてフロッピーイメージ「balder10.img」を適当なディレクトリー「D:\balder」に展開します。
      ソフトの使用方法については各自でどうぞ・・・
      -
    3. ディレクトリー配下に4つのサブホルダーを作成
      fdos> <d-nova> <jp> <kl> <tools
      -
    4. balder内のファイルのうち、「kernel.sys」、「command.com」を残し他のファイルは全て<fdos>ディレクトリーに移動
    B. BalderへのASPIドライバー、ツール組み込み 
    1. NOVAC ASPI マスストレージドライバーをダウンロードし、<d-nova>ディレクトリーに解凍します。
      -
    2. DOSツールについては各自必要なものを用意しましょう。
      ちなみに私の場合、ファイラー(K-Launcher)やNorton Ghost 2003、HDDツール、各種パスワードツール等を用意しました。
      kl> <tools
      -
    3. DOS/V化したりFEPをインストールする場合も、ここで特定のディレクトリーに用意しておきます。
      jp
      FreeDOS/Vのサイトから1.44M2HD版をダウンロードし、フロッピーイメージファイル内の<dos>ディレクトリーから下記ファイルを<jp>ディレクトリー内にコピーします。
      fontnx.exevesapat.exedispvb.exefntファイル3つfontn.iniches.exe
      -
    4. fdconfig.sys」の作成
      balder>ホルダーにエディターで作成
      !switches=/f /n
      !MENUCOLOR=7,0
      MENUDEFAULT=0,30
      MENU
      MENU Machine         : ThinkPad s30
      MENU USB Memory Desk : Kingmax 16GB
      MENU OS              : FreeDOS Balder 1.0
      MENU App             : NTFS, Password Tools, HDD Tools, Backup Tools
      MENU
      MENU 0 - USB,   Start computer with Novac USB1          support.
      MENU 1 - DOS/V, Start computer with            DOS/V JP support.
      MENU 2 - USBJP, Start computer with Novac USB1 DOS/V JP support.
      MENU 3 - NON,   Start computer without Driver.
      MENU
      MENU
      !buffers=20
      !files=20
      !device=\fdos\himem.exe
      !dos=high,umb
      12?devicehigh=\jp\fontnx.exe
      12?devicehigh=\jp\vesapat.exe /JP
      12?devicehigh=\jp\dispvb.exe /hs
      0123?shell=\command.com /E=256 /P
      02?device=\d-nova\usbaspi.sys
      02?device=\d-nova\di1000dd.sys
      !lastdrive=z
    5. autoexec.bat」の作成
      balder>ホルダーにエディターで作成
      @ECHO OFF
      SET TEMP=C:\
      SET TMP=C:\
      SET PATH=C:\;C:\FDOS;C:\KL;C:\TOOLS
      SET PROMPT=$P$G
      IF exist \fdos\keyb.exe \fdos\keyb JP
      IF exist \fdos\ctmouse.exe \fdos\ctmouse

      :end
      起動USBメモリー(Kingmax16GB)は、「USB-HDDCドライブとして認識されますので、パスの設定もこれに合わせています。
      -
    6. ディレクトリーの構成
      D:\balder
      kernel.sys
      command.com
      fdconfig.sys
      autoexec.bat

      fdos
      himem.exe
      keyb.exe
      keyboard.sys
      fdisk.exe
      format.exe
      d-nova
      usbaspi.sys
      di1000dd.sys
      ramfd.sys
      jp
      fontnx.exe
      vesapat.exe
      dispvb.exe
      fontn.ini
      04gzn16x.fnt
      guri19x.fnt
      ches.exe
      <kl>
      適宜
      <tools>
      適宜必要なものを
    C.「RMPrep」のインストール・起動・USBメモリーの挿入
    • ここを参照にインストールし起動します。
    • 「Kingmax USB2.0 FlashDisk 16GB」をパソコンに挿入します。
    D.「RMPrep」のパラメーター設定・書込み
    1. Partition Size
      MAX
    2. Volume Label
      S30 USB
    3. Bootloder Option
      FREEDOS bootable[KERNEL.SYS]
    4. Filesystem and Overrides
      FAT32」 「Boot as HDD
      Use 64hd/32sec if possible
    5. Copy OS Files
      チェック 「D:\balder
    6. Prepare Drive
      書き込み開始
     E.検証

    今回、作成した起動USBメモリーは、起動は出来ますが書き込みが出来ません。したがってもう一つのUSBソケットにメモリー(これはどんなものでもOK、pqi32GB)を差込み同時に起動します。
    すると、冒頭で書いたように、USBメモリーと内臓HDDは読み書きが出来るようになります。

    *H23/6/4追記 一部ASPIドライバーの読み込み時にストップするUSBメモリーがありました。
    • 起動USBメモリー --> Cドライブ 読み取りOK 書き込みNG
    • USBメモリー    --> Dドライブ 読み書きOK
    • 内蔵HDD      --> Eドライブ 読み書きOK
    ただしUSB1規格のため書き込み遅し、読み取りはまあまあかな??

        2011年5月21日土曜日

        「RMPrepUSB」のインストールとFreeDOSブータブルUSBメモリー作成

        インストール自体はいたって簡単です。ダウンロードサイトから落としてきてインストールするだけ!
        ポータブル版でも問題なく動作するのでこちらの方が便利かも・・・


        RMPrepUSBのインストール

        インストールはクイックスタートガイドを参照に適当に行いましょう。

        Grub4Dosをインストールする場合には少し小細工が必要です。
        1. gruninst.exeを呼び出してGrub4Dosをインストールしているようですが、デフォルトでは、「grldr」が存在しないのでエラーが表示されてしまいます。
          β版ダウンロードサイトから grldr.zip をダウンロードしてきてRMPrepUSBがインストールされたフォルダーに解凍します。勿論Grub4Dosのサイトから落としてきても良いでしょう。
          -
        2. チュートリアル37においてFreeDOSGrub4Dosから呼び出し起動していますが、「menu.lst」が存在しないためエラーが表示されます。
          β版の「FREEDOS_USB_BOOT」フォルダー内に「menu.lst」がありますのでこちらを使いましょう。新規に作成しても良いですが・・・

        FreeDOSブータブルUSBメモリー作成

        単純なFreeDOS起動USBメモリーを作成するには、「RMPrepUSB」がインストールされていれば6ステップで簡単に出来ます。


        USBメモリーを用意し、パソコンに挿入します。
        1. 1 Partition Size

          リストボックスから目的のUSBメモリーを選択し、パーティションのサイズを入力します
          MAX」を記入
          -
        2. 2 Volume label

          USBドライブのラベルを適当に編集、今回は「FreeDOS
          -
        3. 3 Bootloader Options

          FreeDOS bootable[KERNEL.SYS〕」をチェック
          -
        4. 4 Filesystem and Overrides

          FAT32」「Boot as HDD[C:2PTNS]」をチェック

          USBメモリーが256MB以下の場合は「FAT16」しか選べないと思う

          古いパソコンのBIOSによっては「boot as HDD[C:2PTNS]」では認識しなかったりするので「FDD」や「ZIP」で試してみると上手くいくかもしれません。
          近頃の新しいパソコンは上記設定でいけるはずです。
          -
        5. 5 COPY OS FILES

          Choose Copy Folder>ボタンで、「RMPrepUSB」インストールフォルダー内の「FREEDOS_USB_BOOT」を指定します。

          5 Copy OS Files>をチェック
          -
        6. 6 Prepare Drive

          水色ボタンを押す
        以上で完成です。
        RMPrepUSB」がインストールされていれば、ほんの10秒ほどで完了しますので驚きです。

        完了後は、そのまま「F11」を押すとQEMUが立ち上がり、USBメモリーのブートが確認できます。

        本家サイトでは、チュートリアル37でFreeDOSのインストール法を紹介していますが、途中までは全く同じで最後にGrub4Dosをインストールしているだけです。

        7.左中段の「Install grub4dos」を押す

        単純にFreeDOSだけ起動できても活用法が少なく、Grub4Dosをブートローダーとしてインストールすると色々な事が出来るようになります。

          2011年5月19日木曜日

          USBブートメモリーの作成ソフト 「RMPrepUSB」の紹介

          前回の記事で、USBブートメモリー作成ツール「RMPrepUSB」を少し紹介したが、改めて使ってみると非常に強力なツールだと再認識しました。

          しかし、日本語化されていないためチョット取っ付き難い印象があります。

          RMPrepUSB」のサイトでは、チュートリアルとして色々なケースを細かに紹介してあります。
          そんな難しい内容ではなく、画像をふんだんに利用してますので、流し読めば大体理解できると思いますが、ここでは基本的な使用方法など簡単に紹介してみたいと思います。

          「RMPrepUSB」で何が出来るのか

          1. USBメモリーを起動可能にする
            パーティション作成、フォーマット
            、ブートローダーのインストール

            BIOSの対応(USBメモリがHD扱い、FD扱い、ZIP扱いなのか)及びUSBメモリの仕様(パーティションの構成が色々ある)によって、各種OS上からフォーマットしたり、「HP Drive Key Boot Utility」「HP USB Disk Storage Format Tool」「Bootable USB Drive Creator Tool」「usb_format」等USBメモリーフォーマットツールを使い分けなければならなかったが、これ一つ「RMPrepUSB」で全て対応できます。

            対応するブートローダー
            • Grub4Dos
            • SYSLINUX  (LDLINUX.SYS+SYSLINUX.CFG)
            • MS-DOS   (IO.SYS)
            • FreeDOS   (KERNEL.SYS)
            • XP/BartPE  (NTLDR)
            • WinPEv2/WinPEv3/Vista/Win7 (BOOTMGR)

          2. USBメモリーのデータ及びMBRの消去

            色々なフォーマットツールでUSBメモリーをフォーマットしたり、MBRやPBRを操作しているといつの間にか起動できなくなったりして、MBR、PBRを直接操作するしか方法がなくなりますが、「RMPrepUSB」を使えば見事に初期化してくれます。

            <Clean>ボタン
            -
          3. USBメモリーのサイズテスト及びスピードテスト

            オリジナルサイトの紹介では、中国から通販されているUSBメモリーは容量を偽った物が多いらしい。

            ・ メモリーサイズの確認
            <Quick Size Test>ボタン

            ・ USBメモリーの読み書きスピード計測
            <Test Speed>ボタン --> <F6>or<F7>で結果表示
            -
          4. USBメモリーのバックアップ・リストア

            USBメモリーをイメージファイル化してバックアップ・リストアが出来ます。
            <USB --> File>ボタン
            -
          5. USBメモリーの情報表示

            <USB info>ボタン
            -
            • QEMUでUSBメモリーのエミュレート起動

              これは非常に便利!!

              USBメモリーを挿した状態で <F11> を押すと起動できます。
              -
            • その他
            主になる機能としては、1、2、4、6かな??


            次にUSBメモリーブート作成の基本的な6ステップ
            USBメモリーをブートさせるための手順(6step)


            1. 1 Partition Size

              リストボックスから目的のUSBメモリーを選択し、パーティションのサイズを入力します

              MAX : USBメモリーの最大サイズを指定 <- 通常はこれを指定
              512 : 512MiB のパーティションサイズを指定した事になります。
              -
            2. 2 Volume label

              USBドライブのラベルを適当に編集
              -
            3. 3 Bootloader Options

              フォーマットされた新しいパーティションにインストールするブートローダーを指定します。
              -
            4. 4 Filesystem and Overrides

              適切なファイルシステムとブートエミュレーション(HDD or FDD or ZIP)の組合せを選択します。
              -
            5. 5 COPY OS FILES

              <Choose Copy Folder>ボタンで、フォルダーを指定します。
              予めフォルダー内にUSBメモリーにコピーするファイル群を作成しておき、
              <5 Copy OS Files>がチェックされていれば、最後にファイル群を自動的にコピーします。
              -
            6. 6 Prepare Drive

              ボタンを押して完了

            さて最後にアプリのショートカットキーの紹介、覚えておくと少し便利かも・・・
            ショートカットキー一覧
            F1 – Help
            F2 – Open Explorer @ USB drive
            USBメモリードライブをエクスプローラで開きます
            F3 – Open Explorer @ RMPrepUSB application home folder
            アプリケーションのフォルダーをエクスプローラで開きます
            F4 – Open menu.lst from root folder on currently selected USB drive with notepad
            USBメモリー内に menu.lst が存在すればノートパッドで開きます(編集)
            F5 – Refresh
            USBメモリーを再読み込みします
            F6 – Open USBSpeedDP.csv using the spreadsheet app. associated with .csv files
            USBメモリーのスピードテスト結果(csv)を表示します
            F7 – Open USBSpeed.csv using the spreadsheet app. associated with .csv files
            同上(Excel等で表示)
            F8 – Open USBSpeedDP.csv in notepad
            同上(ノートパッドで表示)
            F9 – Open RMPrepUSB.ini file in notepad
            アプリの設定ファイル(iniファイル)をノートパッドで表示
            F10 – Save current configuration settings to RMPrepUSB.ini
            現在の設定を設定ファイル(iniファイル)に書き込みます
            F11 - Run QEMU and emulate booting from USB drive
            USBメモリーをQEMUで起動します
            F12 – Load user pre-set menu again (if RMPrepUSB.ini file present)
            デフォルトの設定ファイルを再読み込み